はじめに
どうも。RabbitCorpです。
2021年9月10日に発売されたプリンセス・ギャンビット1巻の感想を記載したいと思います。
私は頭脳戦系の作品は好きなので、あまり考えずに1巻は購入しました。
この作品では特に異能力は存在しないです。
並外れた洞察力・思考力など人間が持ち合わせている能力のみで競っていきます。
『次期王位継承』『スパイ』『奴隷』『学園』とそれぞれのワード単独では類似の作品がありますが、ワードを組み合わせることで他作品と差別化はできております。
頭脳戦の作品が好きな方は購入検討しても良かと思います!
※この記事では作中で重要となるような情報については触れないないので、ネタバレは極力避けております。
引用元:電撃文庫公式HP(プリンセス・ギャンビット ~スパイと奴隷王女の王国転覆遊戯~ | 書籍情報 | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト)
あらすじ
奴隷王女×スパイが挑む、学園に集う傑物との王座を賭けたロイヤルゲーム!
【王位選争】――次代の国王の座を王の子たちが奪い合うロイヤルゲーム。
傑物ぞろいの王族が通うロアノーク王立学園に足を踏み入れたのは、奴隷の少女・イヴ。現王と奴隷の間に生まれ、このゲームに巻き込まれた頭脳明晰な才女。そして、彼女を補佐する少年・カイは、国益のために傀儡政権の樹立を狙う敵国のスパイだった。
人間の本質をさらけ出す数々の頭脳戦。候補者同士が《騙し》《謀り》《裏切り》《潰し合う》、このゼロサムゲームの先に待ち受ける揺るぎない真実とは――?
女王になれなければ無惨な死と嘲笑を運命づけられた少女と、彼女を利用しようとするスパイの少年――奇妙な共謀関係にある二人による、命を賭した国奪りゲームが始まる。引用元:電撃文庫公式HP(プリンセス・ギャンビット ~スパイと奴隷王女の王国転覆遊戯~ | 書籍情報 | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト)
王位選争とは
勝者は次なる君主となり、敗者は王族を追放されるゲーム
参加者
○第一王女 サラ 国力 422人
○第二王子 ディーン 国力 286人
○第二王女 ジェシカ 国力 126人
○第三王子 クリストフ 国力 112人
○第三王女 リリス 国力 96人
○第四王子 キース 国力 91人
○第四王女 ケイティ 国力 94人
○第五王子 コーディ 国力 49人
○第五王女 メイ 国力 90人
○第六王子 アレク 国力 31人
○第六王女 ライラ 国力 22人
○第七王女 イヴ(主人公) 国力 1人
勝利条件
・1年後、最大国力*1有すること
・1人の王子または王女が全国民を支配下に置くこと
ルール
Ⅰ:国民の奪取について
・国力が低い側から挑戦を行うことができ、『決闘*2』で勝敗を決める。
・勝者は敗者の国民を総取りし(1部のみ奪うことは不可)、敗者を王位選争から追放する。
Ⅱ:国民の譲渡について
・王子or王女と守護者*3の2名が譲渡書に署名する
・所有する国民全てが譲渡対象(1部譲渡することは不可)。
・譲渡した側の王子 or 王女は王位選争から追放される。
Ⅲ:同盟について
・同盟同士で国民数を合算される。
・同盟は盟主を決め、双方が同意した上で運営委員会のもとで行う。
・同盟破棄は、運営委員会のもとで片方が一方的に行うことができる。
Ⅳ:国民について
・自分の意思で国籍を変えることはできない。
・『弾劾』のみ行うことができる。
Ⅴ:弾劾について
・各国が有する国民の1割が、要請書に署名することで弾劾投票が開かれる。
・弾劾投票ではその国が有する国民は全員参加し『続投』or『弾劾』を投じる。
・『弾劾』が過半数に達した場合、その国の王子,王女は王位選争から追放される。
・その国民は『難民』となり、残っている王子,王女が争奪する。
所感
ルールが多く、覚えるのが大変ですね(汗)
イヴの唯一の国民が守護者であるカイ1人だけで圧倒的に不利な状況で王位選争がスタートするので、どう上り詰めていくのだろうとワクワク感があります!
国民少ないと不利なの?
国民が多い方が種目(ゲーム)を決めることができるから得意分野に持ち込めることができる上に、種目の中に国民が多いと有利なものがあるらしいよ
弾劾や同盟などの特殊ルールがこの王位選争を複雑にして、考える要素を増やしてくれています。
同盟破棄が一方的というルールを見ただけで、絶対に作戦として組み込まれるだろうと思ってしまいますね(笑)
これで王位選争という盤上が把握できたので、1巻で行われた各種目についても触れていきたいと思います。
1巻の各ゲームについて
⇒チェスのようなボードゲーム
②戦争
⇒各王子王女が総指揮官となって本物の軍人を従えての模擬戦
③競売
⇒〇〇を単位として、入札/出品を交互に行い相手よりも多く落札する競技
ゲームについては3つがメインとなりましたが、その他で守護者のカイがイヴのために暗躍してことを進めていくところも見ごたえはありました。
どのゲームも盤外戦術が重要となるため、ゲーム開始前も細かな伏線も見逃さないようにページを進めていったほうがいいですね♪
『競売』については、ギャンブル作品ではおなじみのものを賭けた戦いとなります!
このあたりのジャンルが好きな方は想像できるのではと思います。
『競売』で衝撃の事実などもありますが、これが1巻なのが少し残念なところではあります。
もう少し巻数が進んでからやったほうが読者へのインパクトの大きさも違ったかなと感じますね(汗)
感想
主人公のみ敗退 = 死ですが、その他の王位継承候補の面々は死には直結していない点と主人公自体が死に対する恐怖心がない点から緊張感は少し欠けると感じました。
デスゲームは恐怖心があるからこそ負けた時のキャラの絶望感を楽しめるので、デスゲーム要素は不要かなとも思いました(汗)
いろいろ言いながらも1巻で知略を張り巡らせた複数の心理線のゲームを見ることができ、満足感は高かったです!
ゲーム前に伏線を張り、のちに回収されるところは頭脳戦の醍醐味ですね。
展開が早いのでこのまま王位継承のストーリーのみで進めると3巻くらいで完結しそうです。
学園内での出来事が終わった後、他国との(スパイも絡んだ)国取りゲームまで発展させていけば続いていくと考えます。
王位選争で競い合った王子・王女と自国のために、協力していく展開もあったら面白いと思います!
そうなった場合には各王子王女にスポットを当て、深堀していき感情移入ができるようになっているといいですね。
単純に頭脳戦作品としては面白ったこと、物語がどう進んでいくのか見届けたいため、2巻が出ましたら購入したいです!